空の亡骸

割れてしまった肌に
頼りない骨組みを覗かせ、
そのビルは建っていた。建っていた。
いつかのぞいた窓だった。



止めることなど、できない。
傲慢で、残酷で、その程度の終焉。



こんなにも脆い殻を
よくも、まぁ大げさに
見せびらかして、いたね。
でも私、そんなあなたが
決して嫌いじゃなかったよ。



《立入禁止》の砦の奥で
唸る重機になす術もなく。
私はあなたを見ていた。見ていた。
時はあまりに呆気なく。



雲は無心に流され
空は平たく伸びきり
脆弱な心に溶けだした。溶けていた。
美しい住人などもういない。
私はただ、遠く眺めるだけで―――。

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