fairy tale

白い花が、咲きました。
まだあどけない、その花は
聖母のような、空の下
澄んだ香りを放ちます。


真珠のような雨つぶが
葉脈をすべり、まあるくなって
永久なる朝を祝福します。
ちいさな少女は、影に隠れて
かすかに肩を震わせるのです。


埃をかぶった本棚から
取り出しましょう、光の糸を。
小鳥も風も蝶々も種も
うたう準備はできました。


(いのちみじかし おもいはかなし)
(それでもあすは あいにうるおう)


少女の息は清冽です。
ことばは必要ないのです。
水をたっぷり含んだ瞳に
ほらまた生命が巡ります。

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