テーマ:ほかのこと

磁針

パールの雨が 金色広野に ぽつ ぽつ ぽつ と 光ったら、 諦めを鎮め 傷をぬぐって 遠くまで行こう。 見えてきたもの、一番星。 もしくは、朝焼けの欠片。 優しい未来は いつか果てに辿り着くまで ずっとあなたを照らしている。 「待ってる。」
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ゆきのすみか

しろいきせきは ひかりのしろ。 きんのこじかは ゆきのすみか。 (小声であなたを呼びました。) (あなたは気付いてくれますか。) シャクシャク残した足跡、振り向かなくていい、 踏みつぶされた霜柱、もう溶けだしたから。 (ああ、ようやく私) (まっしろににもどれた。) あまいおもいは なんてんのゆめ。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

いたみ

「きみを傷つけた俺だから きっとロクな死に方しないな」 そう、彼が言ったので 「その時は、弔ってあげます」 そう、答えた。 胸もとには、好きだった落花生、 白い欠片を、丁寧に小箱に詰めて 淡い花々で写真を飾って 「最後まで、弔ってあげます」 そう、言いかけて、止めた。 (まだ、あなたはあなたを赦してはいないの…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

貝殻拾

声に ならない 痛みを のみこんで 泣きながら あなたに もらった かけらを ながめてた。毛布の浅瀬。 想いの 波が 高すぎて あべこべな 約束を 見ないように 触れないように 傷つかないように した つもりで ほんとうは いちばん だめなやりかたを してしまって。 いた。 あのね。 あなたを…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

fairy tale

白い花が、咲きました。 まだあどけない、その花は 聖母のような、空の下 澄んだ香りを放ちます。 真珠のような雨つぶが 葉脈をすべり、まあるくなって 永久なる朝を祝福します。 ちいさな少女は、影に隠れて かすかに肩を震わせるのです。 埃をかぶった本棚から 取り出しましょう、光の糸を。 小鳥も風も蝶々も…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

アンダー・ザ・クロス

わたしは今日もそこへ向かう。 わたしは門を通りすぎる。 風がわたしを迎え入れる。 森を過ぎて教会がある。 そこは教会の奥にある。 わたしの胸には あなたが好きだった白い花。 どうしてだろう、手土産は いつもこれしか浮かばない。 『終わってしまった運命に  人は花ばかり手向けるね。』…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

new days

すっぱいりんご香る朝 小鳥色したシャツ重ね 螺旋階段はね降りる 踊り場満ちた明るさに 夢のまどろみ溶けてゆく カチコチ時計にせかされて 苦いコーヒー飲みほして それでも歯磨きていねいに 帽子の角度は慎重に 思えばいつでも満ちている 楽しいくらしはここにある ひとつひとつにこだわれば すべてが楽しく…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

心価

わたしは 幸福論なぞ信じない。 それよりも りんごのように熟れた ひとつの 赤い心臓を信じる。 何が、全か。 何が、個か。 ひとつひとつの細胞を無視して 世界の全容を語ることなどできない。 幸福論なぞ信じない。 誰かの虚像に踊らされたりしない。 赤く熟れた りんごのように たったひとつ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

テトリスト

おちないピースを待ち続けて お前は何を夢見ていたの。 おし潰された 記憶の化石。 発掘調査 とまどう輝石。 (かたちなんて、あーあ。) (考えてもみなかった。) 積み重なって沈んだ遺跡に お前は何を探しているの。 (こころなんて、あーあ。) (偽るべきじゃなかったな。) 四角い…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雨に宿る

ああ、降ってきましたね。 幾千、幾万、彩雨の糸。 銀の隈取り、緑青の蛙も いつの間にやら石のうえ、 螺鈿の背中を光らせています。 (とおりを見渡すとどこまでも果てはなく、目の前の一本道さえ、いつかは消えてしまうのだと思った。) (雨も蛙も背中の光も、さいごは闇に同化して、今このときの美しささえ、いつか…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ハクア

ジューンブライド 硝子の歌姫 ジェリーのオルガン弾きながら 白亜の城に落ちてくる。 おりがみのスクエアおって はくちょうのノーザンクロス 水を宿した兆しなど 約束の飛沫だろう。 ご覧、 あの人はだれよりも 掬いあげられたいと願った 青い、哀しい、寒い、寂しい… (かみさまはそこ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ママコトハ

もしも貴方が唄うなら 貴方が選ぶ旋律を 私に預けて欲しいの。 私は貴方の破片、貴方の飾り、 どんな片隅だろうと貴方を困らせない。 良い子よ。 あまいためらいの誘惑に この唇を預け、変わりに 真理の矢をくわえて 貴方に会いに行くわ。 私は貴方の右手、貴方の誇り、 どんな傷痕だろうと…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

はじまりの夢

青い羽根をポケットに忍ばせて ボクらは遥かなる夢幻を歩く。 有限の時計はいま雲に隠れ パステル色の雨を降らしている。 色とりどりの音は耳をうるおし 幾度となく夜の寒さを和らげた。 エナメルの剥がれた土の上に やわらかい若葉が始まりを告げた。 まるで、歌うように、世界は 深い息を吐く。キミは今、み…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

空の亡骸

割れてしまった肌に 頼りない骨組みを覗かせ、 そのビルは建っていた。建っていた。 いつかのぞいた窓だった。 止めることなど、できない。 傲慢で、残酷で、その程度の終焉。 こんなにも脆い殻を よくも、まぁ大げさに 見せびらかして、いたね。 でも私、そんなあなたが 決して嫌いじゃなかったよ。 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

鉛筆エメラルド

表面張力おりなす 完全無欠のかたち 永遠の球体に 我々は棲息する。 さぁ、その鉛の筆で 澄んだ先端を尖らせ 大きな円を描け。 そして円の中心に お前の心臓を描け。 消すことも逃れることも エメラルドは許すまい。 明確な解はすでにある。 逃げず、恐れず進んでいけ。
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

新章ラントラクト

本当に欲しかったのは 何も一粒の星でなくて その後ろに拡がった 果てしない幕開け。 北極星から、ひだり、 北斗七星は、3つ欠けていた。 明るい空は、スポットライトを知らない。 そんな単純なことも忘れていた。 わたしはわたしが足りなかったんだ。 盲目の夢語りは その鮮度を終え 歴史の本棚へと戻る。 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

あまの河

金と、銀の 河に、落ちた。 目のないサカナが 泳いでいた。 しばらく、流れに、任せて きらきらした、帯の底を行った。 あたりは、うつくしく、清純で、潔白で いつ、死んでも、いいな。と思った。 ふと、したとき 河のみずが、くちに入った。 きらきらした、存在に、同化したいと思ったのか。 ごくり、吐き出す…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

新世紀

赤紙を  きりとり 円形に  きりとり 城壁を  つきたて 垂直に  つきたて 傷痕を  ひたして 石膏に  ひたして 足跡を  かくして 感情を  かくして 白旗を  かかげて 理想を  かかげて 新世紀 つくった。 製作者はきみたちだ。 にげるな。
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ドライブ

あのひとの、背骨だと思った。 星座は、あまりにも有名な曲線。 (どうして、こんな感情があるのかな。) アクアマリンの、香水。 くるまのなかで、飛散し。 くろかみを甘えた、わたしは こんやほんとの、恋を、する。 はじめはすれちがい とちゅうでかんちがい そろそろくいちがい そのうちあ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

小石ひとつ

小石ひとつ あなたに投げた。 あなたは涙目になって いやいや首を降った。 あたしも涙目になって ふたりでいやいやした。 そらから虹と光のあめ。 じっとふたり見守ってた。 ぶきようなの。ごめんね。 なかなか口で言えないけど。 懲りずに小石、ぶつけてごめんね。 あたし、ばかなの。あなたにとって 最善のこと…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

茨の城

わたしは城なんて いらない。 いらない。 いらない。 だけど茨は隠す。 わたしを 茨の城に。 わたしには指がある。 腕がある。 胴がある。 両足だってあるのに 茨はわたしを閉じ込める。 わたしの口は 動かない。 動かない。 動かない。 動かせない。 動かせないままで たぶんいつか 干から…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

真夜中ノスタルジア

真夜中どこかの街で ひとり観覧車に乗りこみ 花の蜜を飲みながら 君は地球を回る。 コンパスの中心から コペルニクスに従って 機体はひたすら規則正しく 遠くの月へ沈んでゆく。 僕は地上で君を見上げ サカナのように点滅する その美しさを想った。 『ねぇきっと、ひとのこころは 迷子の天使のベッドなんだね。 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

いずみ

きみはいつもそうして伏せて きみの価値をさげたがるけど ぼくはいつもきみのいずみで のどを潤しているんだよ。 幾千のいきものを ふかい底に隠しつつ うすい膜でふたをして なんでもないようなふりをして。 きみのいずみのみずはつめたく そしてとてもここちよいから ぼくの些細なねつはおちつき いき…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

宝石小島

ええ、あの子はこう云いました。 紅茶のやうな、澄んだ瞳をわたしに向けて。 『せんせい、あの島は  宝石箱のやうでしたね。』 まるで夢みたいでした。 とおく繁った草のみどりに 沢山ちらばる羊の群れ。 バターのやうな日射しの滝から 流れる雲はあおとしろ。 まことしやかにうつくしく この世の果てを知りました…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

血液袋と針と薔薇

人と人とが愛し合えば 彼らは二人の心臓に 生まれた時に背負った針で 小さな傷口作ります。 それから其処に薔薇を一輪、 心臓花瓶に生けながら 胸に大事に飾るのです。 愛することが痛いのは その時できた傷口が いつもじくじく疼くから。 それでも胸に傷が無ければ 薔薇は咲くこともないのです。 痛みは薔薇…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

創造汽笛

(夢をみずともいいですか。 とがった爪で 喉元かっきって幸せですか。) 汽笛。そして走り出す音。 疑問符の線路。感情線迷路。 理想を嫌う人たちは 現状維持がお好き。 だけどそれじゃあ文明は どんな街にも築けない。 銀色の手袋はめた せいたかのっぽの車掌は 真っ暗闇のトンネルへ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

夢の続き

「ぞうの横切るさまを観にきたのかね。」 カンカンカンと踏み切りが鳴る。私は目をシグナルから一旦離す。黒いスーツの群れに交じり、通り過ぎる電車を待っていると、一番近くにいた蒼白い顔の男が話しかけてきたのだ。 「ぞう?」 「この駅にくるお前さんくらい若い御仁は、だいたいそれが理由だろう。」 ぞうの横切るさまと…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

夏の底

ちいさくなつた はな。 おおきくうごく 葉脈。 ぽつかりあいた つち。 わたしとおなじ くき。 『またね。』 蝉の絶唱 入道雲の空 そしてようやく のうぜんかずらは 苦しみのないあの丘に すうっと落ちていきました。 土から生まれた 一匹の白い蝶が 替わりに空へ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

神聖から為る水

さかなみたいに跳ねて 夢をみる。夢をみる。 あたたかいプールの砂で 星をみる。星をみる。 感電した尾びれが 弾きだした地上。 はじめて自分に会えた そして走り出す。溢れ出す。 さらさらそよぐ水面に 反響する氷の音。 天体は拡がり零れて 清らかに生まれる。歌い出す。 そして循環するかこ。 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

永久の森

そして少女は 永久(とわ)に従い 透き通った森の中を 低いかかとで歩いた。 天の柄杓から おおきな水滴が 彼女のてっぺんへ 一粒落ちてきて 彼女は自分が もう寒くないことを 星を通して知った。 抱いた人形の 天鵞絨(びろうど)のドレスが あどけない柔らかさで 手のひらを安らげると も…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more