あまの河

金と、銀の
河に、落ちた。
目のないサカナが
泳いでいた。


しばらく、流れに、任せて
きらきらした、帯の底を行った。
あたりは、うつくしく、清純で、潔白で
いつ、死んでも、いいな。と思った。


ふと、したとき
河のみずが、くちに入った。
きらきらした、存在に、同化したいと思ったのか。
ごくり、吐き出すことなく、飲み込んだ。
金と銀の、みずは
重く、かたく、さりさりして
すぐに、胸が、苦しくなった。
憧れと、現実が、わからなくなって
沈む、からだを、感じていた。


恋人同士が、引きさかれた岸辺に
いつしか、流され、うちあげられた。
儚い、光は、もう消えて
あたりに、羽が、散っていた。
間に合わなかった。そう悟った。
何を、期待したのだろう。
意識が、ほほを、冷たく捉えた。


(あなたに対する感情を、自覚するのが恐かった。後戻りできない決意に耐える、強い心を持てなかった。どうかも少し夢を見させて。夢の中のあまいことばでわたしを淡く口付けて。)



大きな、答えを欲しがって。
干上がる命を、無視してた。
金と銀の、みずの正体。
それは今まで死んだ、サカナの、うろこ。



犠牲の、前に、身を差し出した
死んだ、サカナの、うろこであった。

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